【第269号】自分の持っている価値観

1.何を大切にしているか

 意外と自分の価値観を気にしていない人が多い。というか気づいていない人が大半なのではないだろうか。自分が何を大切にしているか、何にこだわっているのか、を大事にしていない。子供から大人に、社会人になって若手からベテランになるにつれ、諦めている人が増えていく。「どうせ無理・・・」「お金がかかるし・・・」「続けていくのは難しい・・・」などの言い訳で、大事にしていくものを捨てていってしまう。でもそれは、“自分らしさ”を捨てているに等しい。どんどん個性が無くなっていく。つまり、「○○さんらしさ」がなくなるということは、みんなと同じになる。自分としての存在価値を失ってしまうことと同じなのである。

2.子供の頃得意だったもの

 子供のころ、得意だったものはなんだろう。感性を大事にするものだろうか。夢中になって遊んでいたものがあるはずである。それは今、どこにいってしまっているだろうか。大人になると理屈で考えるようになる。言い訳を考えるようになる。子供の頃を思い出してほしい。結果、できなかったとしても、最初からできないと思っていただろうか。友達ができれば、自分もできると思っていたのではないか。子供のころ、夢中になってやっていたもの、それが自分の大事な価値観に結びついており、それが、自分の今の考え方のプロセスやアウトプットなどにも影響している。
 筆者は、今回、改めてそれを考える機会を得て、振り返ることができた。すると、自分は、生まれつき理屈っぽい人間だったと思っていたが、実は、それは後付けで、仕事に必要だからそういう考え方を身につけたのだとわかった。

3.バランス

 価値観には、バランスが大事であるが、相反するものを持っていると行動できなくなる。「痩せたい、でも運動するのは好きじゃない」「痩せたい、でも常にお腹いっぱい食べたい」「効率的に仕事したい、でも工夫・改善は好きじゃない」など、できない理由になる価値観を同時に持っていると、先に進めない。また、ロジカルな部分(論理的に考える、型通りに行動する)とアナログな部分(感性を大事にする、アバウトな部分を残す)のバランスも重要になる。どちらかに偏っていると、見るべきものが見えなくなり、また人間関係においても自分と違う価値観を受け入れられなくなる。物事に動じない人、怒らない人はバランスの取れている人である。自分の価値観をもう一度見直してみよう。