【第344号】大阪の旅

1.大都市の姿

 京都に続いて、今回は大阪まで足を伸ばしてみた。京都の駅とは違う、きらびやかなイルミネーションやネオンが目立つ。近年の東京の開発もそうだが、以前に比べて「派手さ」よりも「品」にシフトしてきているように感じる。普段、新潟や東北の地方都市にいると、こういった大都市に行った時に痛感するのが、マーケットの大きさの違いである。商店街や飲食店街で歩いている人の数が桁違いなのである。当然、戦い方を変えないと通用しない。同じものを提供しても、それを受け取ってくれる人の数が違うのだから、新規客・リピート客の考え方、捉え方も変わってくる。また、これまでは、ガイドブックが主流だった旅行客へのアピールも、今やネットが中心となってきた。いかにネットで拡散してもらえるか。口コミが勝負なのである。

2.食文化

 BBQの歴史や文化を今年は学んだが、BBQは食べ物を焼いたり薫製したりすることだけでなく、コミュニケーション文化なんだ、ということを教わった。大阪の食の中心である「粉もの」と呼ばれるものも含め、食文化とはそうあるべきなんだな、と感じた。特に今回入ったお店は、お店の店員、そして一緒に食べているお客さんとの会話が楽しかった。子供も純粋にそれを楽しんでいたし、それが思い出に残ったと話していた。旅には、「恥のかき捨て」という諺もあるが、やはり「袖すり合うも多生の縁」を大事にしていきたい。その場にいる人たちがみんなで楽しんでいるのがわかるし、その空間にいるのが楽しい。結局、何を食べるかも重要なのだが、誰と食べるかなのだ。

3.人柄

 大阪の人というと、押しが強いとか、わがままだとか、がさつだとか、テレビなどから伝わるイメージはネガティブなものも多い。しかし、今回、家族で旅行をしていて、そういう感じは接客してくれる側には一切なかった(お客側の中には見受けられたが)。丁寧に応対してくれるし、明るいし、気さくだし、ある面お茶目なところもある(ノリがいいということか)。自分たちの受け止め方が変わったのか、大阪の人たちが変わったのかはわからないが、イメージが変わったのは確かである。これまであまり関西系のノリは苦手だったのだが、それも思い込みだったようだ。記念写真なども売り込みだとわかっていても、ついつい買ってしまっていた。振り返ってみると、すべて「ボケ」と「つっこみ」なのかもしれない。その文化がわかってくると、意外に抵抗なく受け入れられるのだろう。