【第338号】社会人としての覚悟

1.会社における役割

 最近、様々な場面で、自分に与えられた役割を理解できていない、「覚悟」ができていない社会人を多く目にする。人間は一人では生きていけない。様々な人間関係の中で生きていかなくてはいけないのだが、その中での「覚悟」について触れたい。
 まずは、会社における役割がある。販売する役割、物を作る役割、サービスを提供する役割、経理・会計を処理する役割・・・。それぞれの部門における役割だ。そして、係長や課長などの管理職としての役割を担っている人もいる。それをしっかりと説明できるだろうか。「商品を売る」だけが役割だろうか。「部下の指導育成と業績責任」だけが役割だろうか。あなたがそれをしている理由はなんなのか。「売った」先には何があるのか(喜びなのか、感動なのか)、部下の指導とは何なのか・・・。

2.社会における役割

 社会においてはどうか。○○会社の社員、役員、社長、などの「外から見える姿」だけではないはずである。地域の自治体の役員や、PTAの役員などもある。意識すべきは、周りからの「評価」ではなく、その役割を果たさないことで、どういう人に影響があるかを理解しているか、である。最近は、社内事情を優先しているのかな、とか、社会人としてのマナーを理解しているのかな、という人も多い。メールなどの返事がない(数日経っても、である)、締切日を過ぎても会議やイベントの出欠の連絡をしない、など、どんな教育を受けてきたの?と疑問に感じる対応しかできない人も増えている。そういう人も、違う場面では、違う役割を担って、それなりの発言をしていたりする。

3.家族における役割

 既婚者も独身者も家族がいれば、そこに役割がある。大黒柱(最近、聞かない言葉になりつつあるが)なのか、家計を助ける役割なのか。また、経済的な面だけでなく、精神的な支え、ムードメーカーという役割もある。
 以上3つの役割も、覚悟をしていないと、周りの環境に左右されて、いつの間にか、その役割ではないことをしていたり、本来の役割を忘れていたりする。「勝手に決められた、望んだわけではない」という言い訳は誰でもできる。成長のためには、その「役割」を果たす覚悟が必要なのだ。そして、この覚悟ができる人間が、今度は自分で役割を選んだ時に、その役割を果たすことができるのである。人から与えてもらった役割を果たす覚悟ができない人間に、自分で選んだ役割を果たす覚悟はできない。