【第325号】人生の修行

1.ポジティブに捉える

 ピンチがあった時、追い込まれた時、人は動揺するものである。不安に襲われ、パニックになる。「どうしたらいいんだろう」。その時に、「なんでこんな目に合うのだろう。何か悪いことしたのか」という思いだったり、「諦めた方がいいのかな、止めた方がいいのか」と弱気になったりする。そう感じるのは当然であり、自然なことである。しかし、ここで終わってしまってはそのピンチに立ち向かえない。「これもひとつの修行。乗り越えられない試練はやってこない。さあ、知恵を絞ってどうやって克服していこうか」と前向きに考えることが重要なのである。そう思った瞬間から、何故か力が湧いてくるし、アイデアも出て来る。

2.落ち込んでいる時間を少なく

 落ち込んでいても、頭を抱えていても、問題は解決しない。解決のためには行動しなければならない。そのためにも、くよくよしている時間は少なくしなくてはならない。ピンチになった時、それにひるんでも構わない。しかし、そこから早く脱出する。「ピンチはチャンス」なのである。“修行”と捉えるということは、ピンチは「自分を成長させてくれる機会」なのである。ピンチに流されて、なすがままになり、人に言われたことを嫌々やっているようでは、成長せずして終わる。また、同じピンチがやってくる。それは、“修行”を終えていないからである。「もっと学習しなさい」と同じようなピンチが続けて起こる。最近、ついていないことが多いなぁ、問題が立て続けに起こるなぁ、と感じている人は要注意である。ちゃんとピンチを克服していない可能性がある。

3.次にやることが見えてくる

 自分が成長する機会、と考えた瞬間に、答えが山のように出て来る。こんなこともできる、あんなこともできる。それだけではない。助言をしてくれる人も見えてくる。こんなに心強いことはない。この発想方法(考え方)は簡単にトレーニングできる。例えば、車を運転している最中、赤信号に捕まった。「急いでいるのに!」ではなく、「安全運転しろ、ということだね」。仕事中に、プリンターが壊れた。「インク買ったばかりなのに」ではなく、「もっと性能のいいプリンターにして効率あげろ、ということだね」。商談の時間に相手が遅れている。「貴重な時間をムダにして!」ではなく、「これからの商談について、もっと準備しろ、ということだね」。能天気に考えろ、ではなく、プラス発想で捉えるのである。きっと見えるものが変わってくる。