【第309号】新年度のスタート

1.どんな年度になるか

 年が明けて3ヶ月が経過した。世界経済も日本経済もますます先が読めなくなってきている。唯一の解決策が「戦争」であるかのような動きが強まってきており、本当にどうなるか予断を許さない状況だ。消費が回復しない中、増税や物価上昇の負担増加があり、また株価の低下で将来の年金への不安も増大している。医療・介護への不安も高まっており、新年度への夢など持てていないかもしれない。何度もここで指摘させていただいているが、企業は環境適応業である。よって、どんな環境になろうと、適応していくことが企業経営である。厳しい時代だからこそ、自分たちの理念をもう一度見つめ直し、社内に徹底されているか確認することが重要となる。

2.自分たちの戦い

 ライバル分析も大事だが、まずは自分たちが「どうなのか」ということだ。やるべきことをやっているのか。立てた方針をブレずに実行しているのか。創業時の「志」を忘れてはいないか。筆者はこの1年間毎月行われる、ある「例会」で、毎回プレゼンテーションをすることで、自分の「理念」や「志」を振り返る機会を持つことができた。自分たちの前半戦を振り返ってみて、やはり実践していることと、「志」が一致している時は、前向きな姿勢で仕事ができていたし、パフォーマンスのレベルも高かったと思う。うまくいかなかったり、迷いが生じている時は、「志」を忘れ日常業務に埋没している時だった。自分たちとして、戦うべき土俵で戦うべき相手と戦っているのか。そこが鍵となる。後悔はないが、反省すべきことはある。

3.やりたいことを明確に

 そこから、今年度の目標が出て来る。しかし、昨年度「○○ができなかった」から再度、今年もチャレンジする、だけのものはない。できなかったのだから、目指すものは同じでも、アプローチの仕方を変えなければ達成できない。今年も、あの手この手で攻めていきたいと考えている。既に、新たなものにもチャレンジし始めている。社長としての2年目に入る。役員には、常にやりたいこと、考えていることを発信して、考えてもらっている。自分自身も1年前の倍のスピードで考えて対応するようになった。自分の成長以上に、役員2名の成長が感じられるのが嬉しい。社員教育も同じである。考えさせないと成長はなし、常にトップから情報発信していないと議論も深まらない。新年度、社員にワクワクさせているか、戦う気にさせているか。トップ次第である。