【第303号】基本に立ち返る

1.ビジネスの最低限のルール

 ビジネスには最低限、守らなければならないルールがある。それが段々と崩れてきていえるような気がする。それは、IT技術の発達やビジネスモデルの変化などで、仕事の進め方などが大きく変化してきていることに、マナーがついていっていないためだろう。また、「なぜそうするのか」という基本的な部分の理解がされていないためもあるだろう。
 例えばLINEなどですぐに返事をしないと仲間外れにされてしまう、いじめに合ってしまう、というのが社会問題になっているが、メールの返信はちょっと違う。LINEのように「既読」というものがわからないからだ。送られてきたメールの内容への判断や返事に時間がかかるようなら、その旨の返信をすればいいのである。届いたらすぐにレスポンスを取るのが礼儀である。

2.人間関係のマナー

 人間関係のマナーで一番重要なのは、気配りだろう。挨拶も重要だが、気配りの手段とも言える。しっかりと気配りができていれば、TPOに合わせた挨拶もできる。相手に合わせて、どんな配慮が必要なのか、気遣いが必要なのか気づくことができる人が少なくなってきている。「○○さんだからできない」「△△さんだけが特別」なんていう言い訳をしているケースもあるが、「一事が万事」である。人間それほど器用ではない。こっちにできて、あっちではできない、なんてことはない。また、あえて相手を怒らせること、機嫌を損ねることをする必要もない。人間関係がスムーズにいくためには、相手の気持ちを慮ることが重要である。そのために、コミュニケ−ションが大切となる。

3.戦い方

 ここでいう「戦い方」とは、ライバル企業との戦い方である。これをわかっている企業が少ない。何度もこのコラムで指摘しているが、自分たちの「強み」をわかっていないのである。戦略→戦術→戦闘という落とし込みをしていくが、その一番上にあるのが、「戦略」である。戦略の定義は、「自分たちの強みを相手の弱みにぶつけること」なのだから、強みがわかっていないと戦略が作れない。「戦略のミスは戦術でカバーできない」と言われるように、戦略がしっかりとできていないと、どんなに優秀な社員が頑張っても、ライバルには勝てない。つまり業績は上がらないのである。当然、上記のようにライバルの弱みも押さえていないといけない。ライバルがどこだかわかっていないケースも見受けられる。この基本ができていないと、販促や設備にお金をかけてもムダになる可能性大なのである。