【第290号】思考パターンを変える

1.あなたの当たり前は“真実”?

 ある程度経験を積んでくると、何か問いかけられた時に、「それは○○でしょ」と、すぐに答えが出てくるようになる。それはあなたの中にある「当たり前」から来ているが、その当たり前は真実であろうか。「食」についてや「医療」について勉強していくと、これまでの常識がいかに非常識かを痛感する。だいだい「〜しなければいけない」と言われているものは疑ってかかるべきである(笑)。「毎日3食たべなければならない」「牛乳は健康のために飲まなければならない」「風邪を引いたら、病院へ行って薬をもらい、栄養をつけるために何かたべなければならない」。これらは全て、「〜しなければならない」と教え込まれてきたが、必ずしもこれらは「当たり前」ではない。

2.答えありきではない

 つまり、問いかけがあって、これまでの“常識”から「答え」を導きだしても、それが正しいとは限らないのである。答えを想定して、そこに至るプロセスを組み立てても、正しい答えにたどり着かないことになる。もう一度、起きている「現実の事象」を見直してみて、新たにその事実をつなぎ合わせながら、結論を導き出さなくてはならない。真実を見極める目が重要になる。そのための情報も必要だ。しかし、ベテランになればなるほど、自分が経験してきたことについて、新たに情報を得たり、検討したりすることがない。自分たちが当たり前としてきた前提条件が変わっているのに、結論だけが変わっていないことになる。それに気づいていない。ジェネレーションギャップとして処理をしている事も、実は前提条件の変化についていけていないだけかもしれないのだ。

3.全てOKに

 まずは、全てOKの思考パターンに変えてみる。「それもある」「これもある」と受け入れていく。これができないと「それはあり得ない」「こんなことは考えられない」になり、これまでの思考パターンから脱することができない。何歳になっても、こういう柔軟な受け止め方が必要だ。日頃、他人のことを疑っていても自分の考えを疑うことはあまりない。もう一度、自分の考えが事実と異なっていないか、疑うことから始める。そして、周りの意見を全て受け止める。すると、これまでと違ったものが見えてくる。それを素直に受け止める。これまでの自分の考えと違っても、これまでの自分の考えが間違っていたのではない。“違って”いるだけだ。受け入れてみることが重要となる。