【第280号】忘れたころの果実

1.大きな果実と小さな果実

 一生懸命やっているのに、成果が出ない、結果が出ないと思ってはいないだろうか。何時になったら成功の果実を手にする事ができるのか、と悩んではいないだろうか。しかし、自分の果実ってなんだろう。考えたことがあるだろうか。今日初めて会った人との出会いも果実だったのではないだろうか。今日、失敗がなかったことも果実だったのではないだろうか。全て自分の過去の行いの結果なのである。それらは小さな果実のつながりだ。長年の努力が実って、仕事をもらえた、会いたい人を紹介してもらえた、なんていうのは、大きな果実かもしれない。そう考えると、自分が何かをしている時には、その果実を想像していない。すべきてはないのだ。「こんなことをしたらこんなことをしてもらえる」ではない。

2.何をしてきたのかの結果

 新たな人脈が出来るのも、そこから人を紹介してもらえるのも、仕事を紹介してもらえるのも、自分が何をしてきたかで決まる。新たな知識を得るのも、勉強をしてきた結果だし、信用も何を与えてきたかの結果である。何を考えてきたのか、何を思ってきたこともムダではない。しかし、重要なのは、「何をしてきたか」である。自己投資もひとつ、何か役割を引き受けるのもひとつ、自分のできることを継続して続けてきたか、なのである。
 筆者が今、次々に役割をまかされるのも、瞬間瞬間を大切にしてきたからであり、仕事をいただけるのも、ひとつひとつを丁寧に、全力で対応してきたからである。その時もっているものを出し惜しみせずに、少しでも相手が良くなる、成長することを願ってきたからである。

3.ステップアップ

 果実がやってくるのは、いつも忘れたころである。でも、自分が過去何かをしたことを意識していれば、今、目の前にある果実が偶然の産物でないことがわかり、感謝の心が芽生えてくる。それがステップアップのモチベーションにもなる。果実を得て、満足して終わってはいけない。それを元に、更にステップアップを図っていく。能力の向上、姿勢や気持ちを正す。すると行動の質が変わる。更に、果実を得やすくなる。こういう好循環を生んでいくことが重要となる。すると、波が打ち寄せてくるように、果実が目の前にやってくる。成果を上げている人は、単なるラッキーでうまくいっているのではない。これまでの行動の果実を受け取っているに過ぎないのである。成長していっている人の共通点でもある。是非、学んでいただきたい習慣である。