【第278号】自分の強み

1.自分の強みに気づいているか

 企業が自分たちの強みをしっかりと把握できずに、業績を伸ばせないケースがあるように、個人でも伸び悩んでいる人は、自分の強みを把握できていない場合が多い。戦う武器がわかっていないのだから、最初から勝負に負けているようなものだ。たまにうまくいくことはあっても継続しない。自分の強みに気づくのは、簡単なようで難しい。強みがスキルとは限らないからだ。「こんな資格を持っている」「こんな経験がある」が必ずしも強みにならない。「笑顔が素敵」「常に全力投球な姿勢」などが強みの場合も多々ある。こういう態度・姿勢が強みの場合、本人は当たり前にやっているので、気づいていないのである。また、第三者もそういう点を褒める機会があまりない。「君って笑顔が素敵だね」「彼はいつも全力で取り組んでいるのがいいね」と言われているだろか。

2.フォローの風に乗るために

 強みに気づいて、それを伸ばしていくと、フォローの風が吹いてくる。良く言う“ついてる”現象が増えてくるのだ。「何をやってもうまく」状況が生まれる。こうなるには、自分の強みに気づき、それを徹底的に磨き、伸ばしていく必要がある。また、自分の時間配分を変えていく必要がある。苦手なことを克服する時間に費やしていても、フォローの風は吹かない。企業が自分たちにできないことはアウトソーシングしていくのと同じである。自分ができないことは、他人にお願いする。自分が得意なことに自分の資源(時間や能力)を集中させるのである。筆者の強みは、商品開発や人がやっていなかったやり方で物事に取り組むこと。だからそれに費やす時間を多くしている。

3.評価はされる

 得意なことをやっていると、いずれ第三者から評価されるようになる。筆者自身、働く環境が変わり、様々なことにチャレンジしている。その中で少しずつ認められるようになってきた。特にPRした訳ではない。例えば、ある会合でグループ討議があった場合、自分の得意なファシリテーションの技術や要約してまとめていく能力を活かしていると、その会合に参加されていた人から様々な場面で評価され、次のチャンスが巡ってくるようになる。自分が自分の長所を活かし、人のためになっていれば、フォローの風に乗れるのである。
 人の評価は本当に意外なところから生まれる。意識せずに、「今、自分のできること」に集中する。それが良い結果に繋がる。改めて筆者は、それを実感している。