【第275号】人間関係の断捨離

1.環境と人間関係

 筆者が会社を辞めて、独立してから自分の名刺は500枚以上無くなった。つまり500枚以上交換したことになる。月に150枚近い(笑)。ダブっている方もいるので、500名の知り合いが増えたことにはならないが、最近は、経済団体の会合に出ても、顔と名前の両方を覚えてもらえるようになってきた。以前勤めていた会社の人間関係は、理由があって維持できない部分もあるので、仕事に必要な人間関係は全て新規となる。これだけの数の新規開拓をしていれば、必然と引き合いも出てくる。月に2〜3件の受注に至る引き合いを頂けているのも、この行動量に比例している。環境が変わったお陰で、大きく新規開拓が出来た事になる。仕事におけるこのような変化は当然におこることである。

2.この2年間の変化

 プライベートではどうだろう。それまでは、自分自身を開示していなかったので、深くつき合う人自体がいなかった。飲み友達や同じイベントで知り合った人などとFacebookなどで繋がっている程度だった。しかし、自分が人間関係に苦しむと、まず同じような境遇にいる人たちと繋がる。親子関係や友人関係、職場での同僚との関係や上司部下との関係など様々な人間関係に悩んでいる人たちだ。そして、それを克服すると、次は、同じように克服した人たちと繋がる。辛い体験をバネにして、新たな世界に飛び込んだ人、あるいは飛び込むことを決意した人。そして自分が起業することで、多くの創業者の方々、起業家の方々と知り合うようになった。「浅く広く」から「深く広く」になっている。それは「自己開示」という自分自身をさらけ出すことが出来たことが大きかった。

3.判断は基準

 独立して、自由になる時間は増えた。多くの人とつき合える。それでも限界がある。これまでは、自然消滅を待っていれば、一定の数の友人とつき合うだけで済んだ。今は、自分から飛び込んでいったものも含め、友人の数が一気に倍増した。何らかの基準を持って、“断捨離”しないと、必要な大切な友人ですら「埋もれて」しまう。それは避けなければならない。判断基準はどうするか。「好き嫌い」「損得」「善悪」どれなのだろう。損得は分かりやすい。それもありだろう。善悪。他人からの評判など気にしなければ問題ない。「好き嫌い」。感情に任せればこれもわかりやすい。組織にいないのだから、嫌いな人とつき合わなければならない理由はない(ここが独立したことによるストレスが軽減した面かもしれない)。意外と難しく考えずにできることなのかもしれない。