【第356号】置かれた環境

1.行動を制約

 置かれた環境によって、人の行動は大きく変わる。どう変わるのか、まとめてみたい。まず、制約の面だ。筆者の場合、自宅兼事務所なので、デスクワークは自宅でやることも多い。ここには、いろいろな誘惑がある。小腹が空いたら、つまむものがある。眠たくなったらすぐに横になれる。気になったら、ネットにはいつでもつなげられるし、TVも見られる。健康には良くないこと、そして仕事の進捗を妨げるもの、それが周りにいっぱいある状況とも言える。しかし、外で仕事をしていると、参考資料が手元にはないし、ネットには必ずしも繋がるとは言えない。またプリンターもないので、資料を紙ベースでチェックすることができない。

2.行動を促進

 逆もある。自宅兼事務所にいれば、前述の通り常にネットに繋がっているので、検索は容易だし、思いたった必要なものはすぐにオーダーできる。電話も静かな環境ですぐに出来るし、コピーもFAXも思うがままである。名簿や名刺もすぐ確認できるし、資料をまとめる際の作業スペースもたっぷり取れる。一方、外で仕事をしていると、集中力が違う。誘惑するものがないからである。また、駐車場での時間、待ち合わせの時間、移動の途中など隙間時間を使う場合も多く、そういう場合は、時間の制約があるので、尚更集中力が高まる。仕事と仕事の合間に打ち合わせを行うことも可能となり、移動時間が短縮できたりもする。食事もついでに済ませてしまえば、かなりの効率化が図れる。この1年はこれでかなり時間の節約ができた。

3.自分を変えるのは環境次第

 人間は環境の動物である。置かれた環境をどのように活かすかは、自分次第なのである。どんな場所でも、前述のようにメリット・デメリットはある。プラスに取りながら、自分を変えていく。変えたい自分になるように、環境を選択していけばいいのである。どういう自分になりたいのか、どう自分を変えていくのか。成長していきたいのであれば、以前指摘したように、居心地の悪いところに自分を置く。なりたい自分に近い人たちが集まる場所に行く。仕事に対する考え方や姿勢が近い人たちは、自然と集団を作る。その集団に加わる。何とかしたいと言っている人に限って、この環境を変えることができていない。いきなりハードルを上げる必要はない。難しいことをする必要もない。環境を変えることからスタート。そうすることで、次にすること、したいことが見えてくる。