【第352号】覚悟を決められないリーダーたち

1.常に他力本願の経営者

 このタイプの経営者は、創業時から他力本願な場合が多い。助成金などで起業資金を賄いました、親や第三者の資金援助で仕事を始めました、などのケースである。そして起業の動機も他力本願である。「やってみたら?」と言われたから始めるなどがこれに当たる。自分の意志で始めていない。そして、常に他力本願になっていく。営業は、新聞やネットで紹介されたものが中心。コラボイベントも自分からではなく、他人から誘われて参加する。自己啓発も自ら飛び込むのではなく、他人に勧められて、誘われてのタイプ。このタイプは活動が目立つ割には、成功していない。数字に結びつかないのである。

2.答えが見つからない自営業者

 どうすればいいのか、答えが見つからない経営者も多い。勉強していないのではない。勉強の仕方が間違っているのである。というより、このタイプの経営者は、勉強することが「目的」になってしまっている。勉強して満足感を得ているのだ。そのため、そこから学ぶことが少ない。次に生かせないので、ステップアップしていかない。こういう自営業者の方の特徴は、交際範囲の変化に乏しいのだ。そして、同じようなに成長しないメンバーといっしょにいることが多い。お互いに刺激し合うこともなく、力がプラス方向に働かない。覚悟を決めないから、軸足が定まらない。勉強しているはずなのに、経営の原理原則を学ばないから、ピンとがずれてしまう。頑張っているのに結果が出ないダイプである。空回りしてしまっているのがすぐにばれてしまう。

3.最後は会社にすがる部門長

 経営者ばかりではない。組織で働く者も同様である。自分たちが一国一城の主である、という覚悟がない。会社への不満、社長への不満は口にするが、プライドを持って結果を出す部分が弱い。そこを会社や社長の責任にしてしまうのだ。しかし、会社を辞めることはない。「わかりました」と言って、不平不満の矛先を収めてしまう。結果を出していれば、文句を言われることもない、ということが理解できない。というより信じられない。そして、それが「やらない」理由になっている。年々、部門長のマネジメント力が低下しているように感じる。それは、環境や人材の問題ではなく、本人の覚悟の問題なのである。お客様、部下、他部門など、自分を取り巻く環境に真剣に向き合っているのか。覚悟ができていないリーダーは組織を衰弱させるだけである。